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理由 [ヤマト発進!!]

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地球を救う為に宇宙戦艦ヤマトはイスカンダル目指し航行中であった。
だが船内ではそれとは一切関係ない諍いが勃発していた。

「ちぃっーーーー、忌々しい真田めっ!どうしてもわしにワープを見せない気だな」
と沖田艦長は真田技師長に対しあらぬ疑いをかけ苛立っていた。
一方の真田はというとワープに関しての艦長のお叱りを黙って受けていた。
隊員たちは艦長の器の小ささを笑い、逆に甘んじて叱責を受ける真田を評価した。
それがまた艦長の耳に入り真田への怒りが増幅するのであった。

そんな或る日の事、航海長の島大介は真田にワープの準備が整った事を報告した。
「そう言えば真田さん、艦長を呼ばなくていいのですか?」
「ああ呼ばなくていい」
暫し考えた後、島はずっと疑問に感じていた事をぶつけた。
「前々から思っていたのですが艦長をワザとワープに立ち合わせないんですね」
「うん、そうだ」
「何故ですか、呼んで上げれば怒られなくて済むじゃないですか」

すると真田は表情変えずに言った。
「だからいいんだよ」
「え!?」
「艦長は私に思う存分怒りをぶちまける、私は艦長を苛立たせる、
それで長い航海のストレスを発散させ精神を安定しているのだから」

成る程と島は感心した。
広い船内とはいえ1つの空間に閉じ込められたままの長旅だ、
まして上に立つ身であるなら責務も重なり精神的疲労は相当なものだろう。
どこかでガス抜きをしなければ破綻するかも知れぬ。
納得した島は艦長には報告せずワープに入った。

後日、島はマサカリを持った艦長に追い回された。
逃げながら島はその様子を眺めている真田がニヤリとしたのを見た。
それをみて島は自分が真田と艦長のガス抜きに使われたのを理解した。
したところでこの状況は変わらないが。

-つづく-



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