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メロスと風 [疾走メロス]

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メロスは走った。
友であるセリヌンティウスを助ける為、
そして必ずやあの暴君に人の誠というものを見せ付けねばならぬと。
メロスは全身全霊をかけ一心不乱に走り続けた。

だがやがて体は重く感じられ走る速度は落ちていき、
そして歩く事も困難になり遂には倒れてしまった。

メロスは泣いた。
「セリヌンティウス許してくれ!!俺は必ず戻るつもりだったのだ。
戻らなければ君が身代わりとなってはり付けにされる!!
だが体が全く動かない、指1本さえも動かせない・・・
こんな不甲斐ない友を許して欲しいセリヌンティウス!!!」

丁度その時メロスが倒れた位置から少し離れた道を女子高生が歩いていた。
そしてイタズラな秋風が彼女のスカートを翻させた。
「いや~ん」

その瞬間メロスは飛び起きた、その目は女子高生を凝視している。
「・・・セリヌンティウスよ、こんな破廉恥な友を許して欲しい。
でも今時純白だったので仕方なかったのだ」
エロパワーで復活したメロスは再び走り始めた。



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マニフェストの価値は [疾走メロス]

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鳩山由紀夫は走った。
必ずやマニフェストを実現しようと走り続けた。
だが無常にもスキャンダルが暴かれ、削減する筈の予算は膨れ上がり、気がつけば支持率は下降していた。
そして遂には四肢を投げ出しどうっとばかりに倒れ伏してしまう。
もはやこれまでか…公約を投げ出すつもりはなかったが、体がいう事をきかぬ。
きっと皆の者は私を罵り笑うであろう、
しかし私はマニフェストを遣り遂げる気持ちに嘘偽りはない。
私の信実は神も御覧だ。
ただ気持ちに現実が追いついていかないのもまた真実である。

暴君ディオニス王は鳩山に言った。
ちょっとだけマニフェストを守ればいい、
後は全て反故しても国民は馬鹿だからそれで許されるさ。

いいやそんな事は私の信実が断固として許さない。
鳩山由紀夫はふらふらになりながらも立ち上がり、また走り始めた。

「でも殆ど実現出来ないマニフェストである事も神は御存知の筈だ」



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静止した会社の中で [疾走メロス]

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「メロス、これをコピーしてきてくれんか」
「コピーですか、お任せ下さい」

メロスは走った。
必ずやコピーを成功せんが為、息が絶え絶えになりながら走った。
野を越え山を越え、渦巻く濁流をもものともせず泳ぎきり、
必ずやコピーをとろうと、全身全霊をかけて走った。

「…あいつコピー1つ取るのにどこまで行ったんだ」



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マダマダイエー [疾走メロス]

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メロスは走った。
自分の身代わりになった親友セリヌンティウスの為、
メロスは全身全霊をかけて走り続けた。
だがそんなメロスをあざ笑うかの如く、無常にも時は過ぎてゆき、
気がつけば日も暮れようという頃になっていた。

すまないセリヌンティウス!!

だが信じて欲しい我が友セリヌンティウスよ。
私は全力を尽くしたのだ、最後の最後まで、
血の一滴に至るまで振り絞って走り続けたのだ。
望むなら我が胸を切り裂いて心臓をお目にかけたい!!
愛と信実の血液だけで動いている我が心臓を!!

決して私は遅刻したくてした訳ではない、信じて欲しい。

「…これで良し」

メロスはベッドで寝ながらセリヌンティウスにメールを送信すると、
安心したのか、二度寝した。



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先手必勝カンピューター作戦! [疾走メロス]

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メロスは走った。
親友セリヌンティウスとの約束を守る為、必ずやあの暴君に目に物を見せようと走った。

メロスは誰も信じられぬからとあらぬ疑いをかけ処刑を繰り返す王に刃を向けた。
門番に取り押さえられ、メロスの処刑は決まったも同然だった。
だが王は言った、お前の言う人の信実とやらを見せて貰おうと。
約束の時間までにメロスが戻るという事で、親友セリヌンティウスが身代わりとなった。

「お前は少し遅れて戻ってくるがいい、そうすれば親友は処刑するが、
貴様は助けてやる。いいか、遅れてくるのだぞ」
それは悪魔の囁きだった。
「そんな戯言、このメロスには通用しない。必ず戻ってくる!!」
王はただニヤリと笑うばかりだった。

メロスは全身が疲労の極致となっても走り続けた。
だが全身が突然震えたかと思うや途端にどうっとばかりに倒れてしまう。
やっとの事で立ち上がったがそこまで、這う様に歩く事しか出来ぬ。
もはや己の意思だけではどうにもならなくなった。王のほくそ笑む顔が目に浮かぶ。
「なんと情け無い。だが諦めるわけにはいかない、親友の命がかかっているのだ」

メロスは手を上げ、タクシーを止めた。

「…あ、運転手さん、城まで急ぎでお願いします」
「あいよ!」
なんとか約束の夕刻までには間に合いそうで、メロスはホッとした。



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メロス暗察計画(名前篇) [疾走メロス]

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メロスは走った。
自分の身代わりになった親友を救う為、そし暴君に目に物を見せんが為、
彼は昼夜を問わず走り続けた。

ところが後少しで城に到着する段になってメロスは混乱した。
「待っていろセルゲイブブカ…じゃない、セリーヌディオン、でもない、あれ何だっけ?」
彼は極度の疲労から親友の名前を度忘れしてしまったのだ。
「センブリチャ?いや違うセントバーナードってそりゃ犬だよってオイ!
などと1人ツッコミしてる場合じゃない…えーっと、セ、セ、セントラルリーグは野球だ、
セプテントリオンはヒューマンから出たスーファミのゲームだし…
あっそうだセバスチャンだセバスチャン!!じゃないよなぁ…」

その様子を親友は磔台の上からじっと見ていた。
「…正解はセリヌンティウスだメロス…」



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メロス駆り [疾走メロス]

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メロスは走った。
自分の身代わりになったセリヌンティウスを救う為、
メロスは走り続けた。

そして約束の夕刻、メロスは息も絶え絶えになりながら城に着いた。
「俺だ、メロスだ!!メロスが戻ったぞ!!」
その時城内アナウンスが流れた。
「只今写真判定を行っております、着順確定まで今しばらくお待ち下さい」
呆然としているメロス、一刻の後再びアナウンスが流れる。
「写真判定の結果、1着はキング・ツマシュウジとなりました」
その瞬間歓喜と怒号が入り混じって城内は騒然となる。
セリヌンティウスがもの凄い形相でメロスに掴みかかって怒鳴った。
「おいメロス、やってくれたな!!お蔭で俺はすってんてんの一文無しさ」
彼は更に口汚く罵ると、どこかに去っていった。

一人残されたメロスに暴君ディオニスが肩を叩いて慰めた。
「気にするな、こういう日もあるさ。また明日頑張れな、な」

明日は今日より頑張れそうな気がするメロスだった。



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暁のメロス一番乗り作戦 [疾走メロス]

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メロスは走った。
日暮れまでに城に戻らねば身代わりのセリヌンティウスが処刑されるからだ。
そしてボロボロになりながらも日暮れる寸前に城に辿り着いた。

「俺だー!!メロスだー!!」
メロスは叫んだ、だがその瞬間メロスの背中からネズミが飛び降りた。
それを見て暴君ディオニスが言った。
「よし、最初の年はネズミに決まったわい」
驚くメロスにセリヌンティウスが言った。
「メロス、君は次の年だ」
「次の年?」
暴君ディオニスが後ろを見ろと背後を指差すので振り返ると、
いつの間にか牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪が並んでいた。

「今日から鼠・メロス・牛・虎・兎・龍・蛇・馬・羊・猿・鶏・犬の順で十二支とする、
ついては13番目の猪は選考から洩れましたのでこのままお帰り下さい」

王様万歳!!十二支万歳!!

民衆の大歓声が沸く中メロスは、逆恨みした猪に追い掛け回されていた。



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暴君ディオニス杯特例法205号 [疾走メロス]

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メロスは走った。
日暮れまでに城に戻らねば、身代わりのセリヌンティウスが処刑される。
メロスは何度も倒れながらも、その度に力を振り絞り走り続けた。
そして日暮れる寸前の所で城に辿り着いた。

「処刑を待ってくれー!!メロスが今戻ったぞー!!」
メロスは残る力で叫んだ、だが何か様子がおかしい。
前方を見るとセリヌンティウスが暴君ディオニスと並んで立っている。
「セリヌンティウス、俺だ、メロスだ」
セリヌンティウスは首を横に振りながら言った。
「メロス、残念だが君は2着だ」
「2着?」
何の事か分からずにいるメロスに暴君ディオニスが続けた。
「メロスよ、優勝は亀さんだ」
「亀さん!?」
見るとセリヌンティウスらの足元に亀がいる。
「君が途中で倒れた時に、この亀さんが抜き去ったと言うワケさ」
益々混乱するメロスを他所にセリヌンティウスは亀を抱きかかえて言う。
「メロス、君には失望した、今日から僕はこの亀さんと友情を育むことにするよ」
すると暴君ディオニスが少し顔を赤らめながら言った。
「その熱い友情に感動した、どうだろう、このディオニスも加えてもらえないだろうか?」
「勿論です王様」
「ありがとう、これまでの行いは反省する、これからはきっと良い王になる」
がっちりと抱き合う三人に民衆は歓喜の声を上げた。

王様万歳!!セリヌンティウス万歳!!亀さん万歳!!

呆然と立ち尽くすメロスにセリヌンティウスは言った。
「というわけだから次回頑張ってくれ給え」

「次回って・・・」



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セリヌンティウス先入! [疾走メロス]

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セリヌンティウスは走った。
野を越え、山を越え、力を振り絞って走り続けた。
途中激流渦巻く川が立ちはだかるが、これをものともせず泳ぎきり、
セリヌンティウスは走り続けた。

「暴君ディオニス様っ!」
「だれが暴君だ!!敬意を払わない奴は処刑するぞ!!
それで用はなんだ?」
「はっ、それがセリヌンティウス様が脱走なされました」
「そいつに敬意は払わんでよい、それより何をぐずぐずしてる早く追えッ!!」

暴君ディオニスは走った。
衛兵もこれに続いて走った。

メロスが到着した頃には城はもぬけのからだった。
「・・・やはりあれは暴君ディオニスだったか」
メロスは暫し考えてから、また走り出した。

静寂だけが残った。。。



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