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明日を捜せ [三井君、やりたいです]

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或る日の夕暮れの事です。
1人の若者が湘北高校校門の前で途方に暮れておりました。
若者の名は三井君といいます。
三井君は時々茜色の空を眺めては大きな溜息をつきました。
そこに湘北高校バスケ部顧問の安西先生が通りかかりました。

「どうしたね三井君?」
三井君は空を眺めたまま答えました。
「実は、高級車を乗り回して女の子にモテたいのですが、そんな大金は無く、
どうしたらいいのか考えあぐねていた所です」
「……フォッフォッフォッ、ではごきげんよう」
「待って下さい先生ッ!!オレ、オレ、モテまくってウハウハな青春を送りたいんです」
「って、そんな無茶苦茶な事いわれてもねぇ…おっそうです!
…三井君、今映っている君の影の頭の部分を夜中に来て掘ってみなさい」
「掘ると、どうなるのです?」
安西先生はニヤリと笑うとこういいました。
「持ち切れない程の大金が埋まっている筈です。フォッフォッフォッ」
「まさかそんな馬鹿な話が…あっ!?」
いつの間にか安西先生の姿は無く、三井君1人取り残されていました。
「…っさすがホワイトデビルと謳われたことはある、太目の割りに素早い」

翌日、湘北高校のあちらこちらに無数の大穴が掘られていました。
安西先生は校長に呼び出されこう訊ねられました。
「三井という学生が安西先生にそそのかされて穴を掘ったと証言しとるが本当かね?」
「…フォッフォッフォッフォッフォッフォッ」
安西先生はただ笑うしかありませんでしたがその目の奥には、
ホワイトデビル時代の凶暴な輝きが復活していた事は言うまでもありません。



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