人生牧場 [ここ掘れ、トシハル]
ある夕暮れの事です。
1人の若者が黄昏ておりました。
若者の名はトシハル、
彼は今日食べる物も無くどうしたものかと考えあぐねていました。
そこへ1人の白髪の老人が現れ、トシハルの話を聞くや、
「夜中に来てお前さんの影の腹の部分を掘ってみるがよい」
と言い残して去っていきました。
トシハルは半信半疑ながらさてとり他に手段もなく、
夜中になると老人の言うとおりそこを掘ってみました。
しかしいくら掘っても何も出てきません。
白々と夜が明けてくるに至り、トシハルは騙されたと怒り穴から出て行こうとしました。
しかし掘った穴は深く、飛び上がっても穴の淵に手が届きません。
「墓穴を掘るとはこのことか」
そうつぶやいた後トシハルは笑い出しました。
ひとしきり笑うと彼は、手にスコップがあることに気づきます。
彼は再び立ち上がり、黙々と横穴を掘り出しました。
後日、トシハルを見かけた者がいましたが、それきりということです。
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2009-05-25 23:30
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