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君を追うもの(6) [狩人のものがたり]

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距離にして凡そ7m先に女はいる。
今は人気が無い通りだが騒ぎになるのは拙い、銃などの武器は使えない。
山見は草むらに居た時にポケットに入れておいた石を掴んだ。

「コントロールに自信は無いが・・・」

彼女がいると思われる付近に投げてみた。
手応えは無いが女はやや移動した。
少なくとも居る事は確か、攻撃が当たればダメージがあるとも思われる。
山見は移動したと思われる付近にまた投げた。

「また移動したか・・・」

大雑把とはいえ女の居場所に投げてはいるのだろう。
しかも素早くは動けないようだ、攻撃を恐れたか投げてないのに移動している。
山見は苦し紛れにしている事だが、
思っている以上にその攻撃は驚異になっているかも知れない。
山見は数個の石を一度に掴んだ。

「えいっ!」

石は塀や電柱に当たって地面に落ちた。
そしていくつかの石つぶてはゴミ箱に当たり、箱はひっくり返った。
と、その周辺に居たであろう彼女が空中に移動するのを感じた。

「何っ!?」

山見は必死でその方向を見た。
空中には何も無い、居るのは彼女だけだ、
その存在を確認出来るとしたら今だけかも知れなかったからだ。
最も彼女が透明でなければだが。

「どこだ!?」

その時空中から円盤状の平べったい物体が飛んで来た。
慌てて避ける山見、円盤状のそれは体をかすめて地面に転がった。
振り返ってみるとそれはゴミ箱の蓋だった。

箱が倒れた時に舞い上がったか?
いやいやそれはない、それ程勢いがあったわけではないからだ。
第一ゴミ箱が倒れたのは見ている、そうなったのなら分かる筈だ。
ならば彼女が投げたと考えるかだが、それは疑問が残る。

「一体どこから?」

-続く-



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