君を追うもの(4) [狩人のものがたり]
山見は気配を消しながらどうすべきか考えていた。
おとりとして先行させた人間があっさりやられてしまったからだ。
「彼女がどう捉えたかだ、追跡者本人と思っていれば油断するが・・・」
用心し離れた場所から指示していた為相手の正確な位置が把握出来なかった、
その所為でこの事態になったが命が助かったのも事実。
「さて・・・」
山見は相手の動きを探った。
既にその場から離れたようだ、倒れているおとりの周囲にはいない。
しかしそのまま移動しているのか近くで待っているのかは判断し辛い。
場を離れたのは反撃を想定しての事だろう、
少なくとも危険な状態は薄まった。
山見はおとりの倒れている現場に近づいた。
「・・・金庫か・・・」
現場には盗まれた金庫があり、
おとりの体は乗っかった金庫の重みで地面にめり込んでいた。
-続く-
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2012-05-31 14:29
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