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あるあるある戦い [犬の犬吉]

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おいらは犬の犬吉。
最近は弟子のコロ吉を連れて歩いてる。

ある雨の日に軒下で震えてるこいつに飯を奢ってやったら、
それ以来おいらの事を兄貴、兄貴と慕ってついて来る。
まだ仔犬だから小さなボールみたいで丸っこい、それでおいらがコロ吉を名づけてやった。

コロ吉はおいらが何をしても、へぇーとかほぉーとか言って感心する。
嬉しいが詰まらない事にまで感服されると少々うんざりだ。
我慢できなくなっておいらがそれを伝えると、
「へぇー、とても勉強になりました。兄貴は凄いです」とまた感心された。

そんな或る日だった。
いつもの様にコロ吉を連れて公園を走ってたらいつの間にかあいつの姿が消えていた。
慌てて来た道を引き換えしてきたら、コロ吉は人間の女と遊んでいた。
女はコロ吉の事を「ちびちゃん、ちびちゃん」と呼び、あいつもわんわんとそれに答えた。
「この子首輪が無いわ、きっと捨て犬なのね。ウチ来る?」
そう言われてあいつは嬉しそうにクルクル回った。

コロ吉が女に抱きかかえられる瞬間、おいらと目が合ったが、
あいつはすぐに女の方に目を向けた。
その時おいらはどんな顔をしてたのかおいら自身は分からない。
だいぶ経って誰もいなくなってからその子を宜しくと遠吠えしておいらは公園を出た。
コロ吉とはそれきりになった。



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