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知知が帰ってきた日 [シャアの憂鬱]

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ジャブローに向う途中シャアは、ある奇妙な看板を発見した。

その看板には『10円饅頭』と書いてあった。
「10円饅頭だと?ふふふ、
10円と言いながら一個だけでは売らないと言うのだろう。
もうその手にのるものか」

それでも確認の為モビルスーツを隠してから店内に入ると、
はたしてシャアの予想通り、10個入りパックしか売ってなかった。
「そらみたことか」
しかしシャアは、赤鼻への手土産にするのも面白かろうと1パック買う事にした。
ところが、値段を見てシャアは驚愕した。
なんと1パック110円と書いてあった。

「民間人、これはどう言う事だ?
1個10円なら10個で100円、消費税別でも105円の筈ではないか」
シャアに詰め寄られた店員は、入れ物のパックが10円なので計110円だと答えた。

「前回の20円ドーナツはまだ許せたが、今回のは納得出来ないな。
ではパックに入れないで持って帰るといったらそうするのか?しないであろう。
そもそも10円饅頭と言いながら10円では購入出来ないところからしておかしいのだ。
その上パックまで料金つけて売りつけるなど、傲慢過ぎるとは思わないのか!!」

頭にきたシャアは、もはや連邦軍などどうでも良くなっていた。
「…もしもし赤鼻か、こちら赤い彗星だ。
今日は気分が乗らないからジャブロー行きを延期する、いいな。
…何?ドズル中将にどう説明するかだと、そんなのは貴様が適当に言っておけ。
だが一応、親戚のおじさんが入院したから見舞いに行ったという例をあげておこう」

電話を切るとシャアは、10円饅頭を頬張りながら家路に着くのであった。



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