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明日か、来日 [ここ掘れ、トシハル]

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ある夕暮れの事、1人の若者が黄昏ておりました。

若者の名はトシハル、彼は今日も食べる物も欠く有様、
一体これからどうしたものかと考えあぐねておったのです。
そこへ1人の白髪の老人が現れました。
「お前さん何を考えておる?」
トシハルは、こんな時に話しかけられたので非常に鬱陶しく思ったので、
少し困らせてやろうとこう言いました。
「…実は彼女が出来なくて悩んでいる。
こんな世の中だ、美人の彼女でもいれば人生も潤うのにな」
すると老人は少し考えてから、
「では夜中に来てお前さんの影の腹の部分を掘ってみるがよい」
と言い残して去っていきました。

トシハルはさぞかし困るだろうと思っていたのでこの答えには驚きました。
しかしながら彼の言う事を真面目に受け取るのもどうかと思い、
そのままほって置いてしまったのです。

その翌日、通りかかった電気屋の街頭テレビで、
女子大生が生き埋めされそうになったとのニュースを見ました。
トシハルは、まさかなと首を振りながら去って行きました。



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