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瞬間、希望、重ねて [ここ掘れ、トシハル]

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ある夕暮れの事、1人の若者が黄昏ておりました。

若者の名はトシハル、彼は日々の食べる物も欠く有様、
一体これからどうしたものかと考えあぐねておりました。
そこへ1人の白髪の老人が現れ、トシハルの顔を覗き込む様にして言いました。
「お前さん何を考えておる?」
トシハルは言いました。
「実は金が無くて今日食べる物さえ手に入れない有様。
どうしたものかと考えていたのです」
すると老人は地面を指差しながら、
「では夜中に来てお前さんの影の腰の部分を掘ってみるがよい」
と言い残して去っていきました。

トシハルは半信半疑ながらも何かあるやも知れぬと一縷の望みを託し、
老人の言った部分をジッと眺めていました。
すると再び老人が現れこう言いました。
「お前さんがそこでいつまでも頑張ってたら、わしがネタを仕込めないだろ、
空気を読め、空気を!!」

トシハルは慌てて逃げ出しました。



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